インプラントのトラブル対処法

インプラントでよくあるトラブルとは?

こちらでは、インプラントのよくあるトラブルとそれぞれの対処法をご説明します。インプラントは現時点では失った歯の機能を取り戻すための最善な選択肢となっていますが、人工物であることに変わりはありません。また、患者様の症例も千差万別です。以下のようなトラブルの可能性があることを知っておいてください。

インプラント失敗の原因

Case1 「インプラントを植立してから2~3週間後に抜ける」

これは初期における細菌感染が考えられます。多くの場合は喫煙や何らかの成人病がある方に起きやすく、またインプラント周囲のあごの骨が異常に軟らかい場合や、異常に硬すぎる場合にも起こります。症状としては、インプラントに触れるとグラついたり膿が出たりして、ある日ポロッと何事もなかったように抜け落ちます。

対処法

インプラントが抜けてから最低でも1~2ヶ月経過後に再び植立すれば定着します。

Case2 「インプラントを植立して被せものをした直後に抜ける」

増骨した後にインプラントに力をかけた際に、骨との結合が弱く剥離することがよくあります。

対処法

インプラントに力をかけないようにし、そのまましばらく放置することで、大抵は再結合して使用できるようになりますが、うまく骨が増強されていないケースもあり、この場合はやり直しになります。

Case3 「インプラント植立後から長期にわたって痛みが出る」

このケースの多くの場合は、インプラントの先端部と接しているあごの骨が、ドリルの際に骨の細胞に熱を与えたことにより炎症を起こしていることが原因になっています。

対処法

鎮痛剤や抗生物質で痛みと炎症を和らげます。ほとんどが一時的なもので、その後症状は治まり使用できるようになります。

Case4 「下あごにインプラント植立後、唇がしびれる」

このケースは、インプラント植立の際に神経を傷つけたか、あるいは傷口の腫れのため一時的にしびれているかのいずれかです。太い神経を完全に切断していない限りほぼ回復しますが異常な知覚感覚が残る場合もあります。多くの場合、2週間~1ヶ月で回復しますが、場合によっては2~3年かかる場合もあります。

対処法

インプラントが神経と触れているときは2~4週間様子を見て、回復傾向にあればそのままにし、回復が遅いときは一度外して様子を見ます。

Case5 「骨が少なくて、インプラントが機能する前に抜ける」

元々あごの骨の量が通常より少ない場合に、インプラント植立が困難で抜けてしまうことがあります。

対処法

あごの骨を作り直してから再度植立を行います。

Case6 「上あごの奥歯にインプラント植立やサイナスリフト、ソケットリフトを行った後、鼻血や鼻水が出る」

上顎洞という、口から鼻に通じる空洞に炎症が起きているときに見られる症状です。

対処法

ほとんどの場合は薬を2週間ほど飲めば治ります。

技術的な失敗

Case7 「元々の植立方向や位置に問題がある」

元々の植立方向や位置に問題がある場合、インプラントがあごの骨と結合しているにもかかわらず不具合が出ることがあります。

対処法

この場合は初期の診断に問題があります。被せもので方向を修正して見た目を改善するか、それでも無理な場合はインプラントを除去し再び植立します。

インプラントの被せものにトラブルが出る場合

Case8 「3年くらい経過後に抜ける」

この場合は、インプラントに負荷がかかりすぎていることが原因で、インプラントとあごの骨の境目に亀裂が生じ剥離しながら抜けてしまいます。特に上あごの軟らかい骨に植立した場合、この可能性があります。また歯ぎしりがあり、毎日インプラントに大きな負荷がかかっているときも抜けてしまいます。

対処法

この場合は再度植立する際に、長くて太いインプラントに交換するか、追加で隣にインプラントを入れます。

Case9 「歯周病で抜ける」

メインテナンスリコール(定期検診のお知らせ)に応じてもらえない患者様で、さらに周囲の歯に重度な歯周病がある場合は、汚れが溜まってしまうと急速にインプラント周囲の骨が溶けて、やがて抜けてしまいます。

対処法

このケースのほとんどは部分的に骨が溶けているため、その部分に薬剤を注入し汚れを取り、患者様自身でも汚れがうまく落とせるように指導します。

Case10 「歯ぎしりで抜ける」

歯ぎしりにより、周囲の歯が削れたようにとがり、常にインプラントに異常なストレスがかかっていると次第にグラついて抜け落ちてしまいます。

対処法

この場合は、再び植立するときに長くて太いインプラントに交換するか、追加で隣にインプラントを入れるか、その兆候が見られたらマウスピースを夜間に装着するようにします。

インプラントの被せものにトラブルが出る場合

Case11 「インプラントの歯の部分(セラミック)が欠ける」

セラミックが被せものの場合は、強い衝撃に耐え切れずに割れてしまう場合があります。これは高い頻度で起こりうることです。

対処法

小さく割れた場合は丸めるなどして修正します。大きく割れた場合は被せものを外してしてセラミックを盛り直して修正します。

Case12 「被せものがよく取れる」

被せものはセメントかネジで固定されているので、緩んでくると外れてしまいます。これは珍しいことではありません。

対処法

セメントを強力なものにするか、ネジの締め付けを強めにします。